WROOM-02で静電容量式水分計を作る (2)動作確認編
◯やりたいこと
前回防水処理した静電容量式水分センサーを使い、土中水分量を定期的に測定する測定器を作る。
データはWiFi(WROOM-02)で送信し電池稼働とする。
◯やったこと
・回路設計
プローブ側の回路図は前回の記事に載せてあります。プローブの出力はダイオードで整流後、平滑コンデンサの端子電圧をそのまま出力しているアナログな値ですので不必要に引き回すと測定値が変わってしまいそう。そこでプローブのすぐ近くでAD(Analog-to-Digital)変換を行い、WROOM-02迄はI2Cでデータを送る回路を検討します。
当初はAD変換をATtiny85で検討したのですが、ICの大きさやスケッチ作成の手間を考えた結果 AD変換→I2C送信をワンチップで出来る MCP3425を使い、 PCA9306をI2Cバッファとして使う回路で落ちつきました。
どちらも秋月さんでDIP化キットとして売っているものです。これらをプローブの周りに組み上げ、電源とI2C線を4芯のシールドケーブルでWROOM-02まで引っ張る計画です。
以上の点を考慮して出来た回路図がこれ。
回路と言っても2つのICを繋いだだけの簡単な回路図ですけど…。
プローブ内の回路は3Vで動作しておりダイオードの電圧降下を考えると出力電圧は2V程度、MCP3425の基準電圧2.048Vとちょうどマッチングしそうでしたので分圧はせず直接ADCに入力しています。I2Cに変換後は4芯のケーブルで離れた場所にあるWROOM-02に接続します。
・製作
上記回路をさっそくブレッドボードに組んでみました。
2つのチップ接続は特に問題はありません。出力されたI2Cデータは最終的にWroom02でWiFi転送する事になりますので、実験中に作成したスケッチを変更しなくて済むようESP8266のソフトウエア I2Cで一旦受けます。受けた結果はハードウエアシリアルで後段に出力する形で実験を進めます。
・動作試験
まずは簡単なスケッチを作成して動作を確認してみます。測定結果は我が家のえだまめ(ラズパイネットワーク)群を利用して前回作ったWiFiマイクロターミナルに表示させます。ただ今回利用するスケッチは我が家のえだまめネットワーク専用のものになってしまうので、実験終了後一般化したものを後で掲載する事にします。
ADCをゲイン 1倍、ビットレート 16Bit、変化モード ワンショット測定でセットアップするスケッチを ESP8266に書込み、いまだケースに入れてもらっていない電流計付電源を接続した後
WiFiマイクロターミナルに表示されるのを待ちます。
ドキドキ。
しばらく待つと…
お〜、無事データが転送されてきました。5秒おきにデータを送ってくる設定です。測定端子は現状オープン、オープン時の電圧は 0Vの様です。試しにADC入力端子を手で触ってみると電圧が微妙に変化します。どうやらうまく動作している様です。
続いて実際にプローブを接続。
乾燥状態での出力電圧は
2V前後。設計通りな値が出ています。順調、順調。
続いてティッシュでくるんで湿潤状態を作りその際の電圧を計ってみると
半分ほどへ変化。どうやら無事動作しているようです。
ただ現状は空中配線の動作実験段階ですので測定出力もバリバリ不安定。シビアな電圧測定はケース化して部品をしっかり固定した後追い込んでいく予定です。
◯やってみて
基本的な動作確認が取れましたので次は
・ケース化
・Wroom02でWiFi化を行い定時データ送信用のスケッチを開発
を順次おこなっていく予定です。
プローブ部分を如何に小さくするか頭を悩ませてます。